災害ボランティアと被ばくの話

先日、災害ボランティアでご一緒した方と放射能被ばくの話になりました。
みなさんに知ってもらいたい、考えてもらいたいので、長文ですが書いてみます。

その方は、今もボランティアで東日本大震災の被災地、福島県南相馬で活動しています。
伐採や草刈りなど、除染と言ってもいい作業をやることもあり、線量計を持参して、0.23マイクロシーベルト/h(注)以上だった場合は、若い女性は他の現場に移ってもらうと言ってました。
子どもたちはもちろん、若い人ほど放射能の感受性が高く、これから子どもを産むであろう女性が被ばくすることの影響を心配しての判断です。

今回の北関東・東北豪雨災害で、栃木県や茨城県で活動するボランティアに向けて「場所によっては線量の高いホットスポットもあるから、団体のリーダーなどはキチンと線量を測って、メンバーが被ばくしないようにしてほしい。」と言った友人がいます。
被災地に入るボランティアは皆「被災されて、困っている方を何とかしたい。」という思いを持っていると思います。
傾いた家屋や流れ込んだ土砂など目の当たりにすると、「少しでも役に立てれば」という気持ちでいっぱいになります。
そう、津波災害ににしろ、水害にしろ、それらは目に見えます。でも、放射能汚染は目に見えません。
風に乗って運ばれるので、県境も関係なく、福島県だけの話でもありません。
被災地に入れば、当然そこの空気で呼吸するし、その土地のものを食べることもあるでしょう。
「食べ物は検査されているから大丈夫。」そう思う人も多いでしょう。
でも、原発事故発生後、原発からなるべく遠い産地の野菜を取り寄せている方もいますし、福島県に限らず関東圏から自主避難される方もたくさんいます。
WHO(世界保健機構)の定める飲料水の汚染基準値は1ベクレル(Bq/L)。
3.11以前、日本での基準は、ヨウ素が10ベクレル(Bq/L)、セシウム137も10ベクレル(Bq/L)。
WHOの基準に比べると、それぞれ10倍でしたが、この基準をクリアすれば流通させて良いとされていました。
さて、今はどうでしょう?
現在の放射性セシウムの暫定基準値は、一般食品100ベクレル(Bq/Kg)、乳幼児食品50ベクレル(Bq/ Kg)、牛乳50ベクレル(Bq/ Kg)、飲料水10ベクレル(Bq/ Kg)となっています。
より厳しい検査を独自に行っている企業や団体もありますが、流通している100ベクレル(Bq/ Kg)未満の食品が、本当は1ベクレル(Bq/ Kg)なのか、99ベクレル(Bq/ Kg)なのかがわからないということを意味しています。
「被ばくしたくない。子どもたちを被ばくさせたくない。」「何ベクレル(Bq/ Kg)かわからないものを食べたくない、子どもたちに食べさせたくない。」と考えるのは、ごく自然なことだと思います。
「正確な情報が提供されないから、買わない、食べない。」これは風評被害とは異なります。

説明するために、細かな内容に入ってしまいましたが、あらためて・・・。
ひょっとしたら、活動場所はホットスポットかも知れません。
自分の身は自分で守るのがボランティア。
ケガをしないようにヘルメットをかぶり、鉄板入りの長靴をはく。
カビやホコリを防ぐためにゴーグルやマスクを身につける。
それと同じ次元で、放射能から身を守ることも考えてもらえたらと思います。
被災地に入る団体やリーダーの方は、万が一、線量の高い現場があったら、若い人、特に女性は他の現場に移すことも考えてください。
事前にリサーチしてもらえたら、なお良いと思います。
私も線量計を持参して測っていましたが、今のところ線量の高い所での活動はありません。
私が使っているのは、エアカウンターSという家庭用放射線測定器で5,000円ほど。
身を守る投資としては、決して高くないと思います。

初めにも書きましたが、被災地に入れば、当然そこの空気で呼吸するし、その土地のものを食べることもある。
放射能のことは、自分で調べたり、詳しい人に聞いてみたりして、情報を集め、自分で判断するしかありません。
その結果、「東北に行くことが怖くなった。」という友人もいます。
判断基準は人それぞれなので、そういう判断も正しい選択の1つだと思います。
被災地に行くことだけがボランティア・支援ではありません。
行かなくてもできる支援の方法はたくさんありますので。

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
放射能と被ばくのことを考えるきっかけになればと思います。
もちろん、「被災された方のために何かできることをやっていこう」という気持ちも持ち続けて・・・。

(注) 0.23マイクロシーベルトは、環境省が示す年間被ばく線量1ミリシーベルトを1時間あたりに換算したもので、1日に8時間屋外で活動する時の自然由来分0.04と原発事故由来分0.19の合計です。ちなみに1日の残り16時間分は屋内で過ごすものとして0.23の0.4倍で計算されています。

 

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