熊本地震 大学避難所

熊本地震 大学避難所
正月休みを利用して、ようやく読みました。
『熊本地震 大学避難所45日 障がい者を受け入れた熊本学園大学震災避難所運営の記録』

昨年の8月に大阪で展示が行われ、見に行きました。
その時の模様はこちら
45日間の避難所運営をまとめた本が11月に発刊され、購入していたのですが、なかなか時間が取れず、今日になってしまいました。

「熊本学園大学は福祉系の学科があり、関連する専門職の方や看護師との連携が上手くいったから、避難所運営もうまくいったんだろう」という声もあるそうですが、読んでみて決してそうではないと思いました。
災害が起きた時、障がい者や高齢者など支援の必要な方も公民館や学校の体育館などの一次避難所にまず避難します。
その後、自治体が必要と判断すれば二次避難所として福祉避難所を開設し、支援の必要な方を選んで移送することになっています。
これ、東日本大震災でも熊本地震でもうまく機能しなかったと聞いています。
でも、そういうことじゃないんです、熊本学園大学の考えは!
指定避難所でもなかった熊本学園大学には、本震のあと多くの方が避難して来られました。
避難して来たのは誰か?
大学周辺で暮らしていた人たちです。
当たり前ですね。
何が言いたいかというと、施設に入っている障がい者、老人ホームで暮らす高齢者、入院している病人ではなく、在宅介護はうけているかもしれないけど、自宅で、その地域で暮らしていた人たちなんです。
「平時はその地域で暮らしているのに、災害時には福祉避難所へ行ってもらう。」
そこに違和感を感じたそうです。
確かに、福祉の世界では「大きな施設で暮らすのではなく、ヘルパーの力を借りて地域で暮らそう。」という方向に進んでいます。
学校だって、障がいがあっても適切な支援をして通常学級でみんな一緒に学ぶインクルーシブ教育を取り入れていこうという話もあります。
『災害時も福祉避難所へ行ってもらうのではなく、みんな一緒に同じ避難所で助け合いましょう。お互いが気遣ったり、配慮したり、一緒に苦労しましょう。』
そういう考え方です。
言われてみれば「なるほどな!」と思いました。
ただ、一緒に暮らすには、医師・看護師・介護士などの専門家の支援も必要です。
自分ができないことも、できる人を知っていれば解決できることがたくさんあるでしょう。
日頃からいろいろな職種の方々とつながっておくことが大切ですね。
避難所全体をコーディネートしていた大学関係者、様々な専門家ボランティアの方や学生ボランティアが45日間をどのように考え動き暮らしたのか、この本には書かれています。
指定避難所ではなかったため、分厚い避難所運営マニュアルを読むこともなく、運営が始まった大学避難所。
「管理はせずに配慮する」を基本に、障がい者やペット同行の方も受け入れ、必要な支援を行う。
避難所での飲酒も禁止せず、キチンと食事もとっているかを気にするように対応する。
あとからマニュアルの存在を知ったそうですが、「事態は常に変化し、もしマニュアルがあっても読む余裕はなかったし、ルールを作って守ってもらうために使うエネルギーを、いま目の前にある事態に対応するために使いました。緊急時にはそれで十分なのではないでしょうか。」と振り返っておられます。
また巻末には、日録、避難所見取図、避難者から寄せられた健康に関する相談内容も掲載されています。
みなさんにぜひ読んでほしい一冊です。

最後になりますが、熊本学園大学は阿蘇大橋崩落に巻き込まれ亡くなった大和晃さんが通っていた大学です。
大和さんのご冥福をお祈りします。

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